ダーツ(だーつ)
学生服上着の脇ポケット上部で、上方向に延びる縫い線をダーツと言います。
標準型にも変形型にも存在する縫製のひとつで、学生服は胸囲より胴囲の方が小さく造られており、胸囲の生地を胴囲でしぼり込むための手段としてダーツを用いています。


[関連用語]
バックダーツ/タックダーツ


タグ(たぐ)  別名・類義語: メーカータグ
メーカーロゴがプリントされた帯をタグと言います。
帯は縦1.0cm×横3.0cmの大きさになり、標準型には見られないアクセサリーで変形型で用いられます。

学生服では脇ポケット左側、スラックスでは後ろポケット右側に、ミシンで縫いつけられています。また、タグはメーカーや商品によって付属されない場合もあり、非売品になっています。


タック(たっく)  別名・類義語: ノータック、ワンタック、ツータック
スラックス前腰のヒダ(折り目)をタックと言います。
ヒダが無いものを「ノータック(No Tack)」、ヒダが片方に1本のものを「ワンタック(One Tack)」、ヒダが片方に2本のものを「ツータック(Two Tack)」と呼びます。稀に3本のスリータックも存在します。

ワタリ(モモ幅)が広いスラックスになるほど、タックの数が増える特徴がございます。これは、モモ幅とウエストの生地面積に差が生じるため、タックで余り生地をたぐり寄せる手段としてタックを用いているためです。

また、タックが存在するスラックスは、タック分の生地面積が広いため太いスラックスに見える特徴がございます。たとえば、ノータックとワンタックとで同じワタリ36cm表示のスラックスでも、ワンタックの方が腰から膨らんで見えますので広く感じます。

既製品のタックは、残念ながら取り外したり・追加したりが、生地面積の関係でお直しすることはできません。


[関連用語]
タックダーツ


タックダーツ(たっくだーつ)  別名・類義語: ワンタックダーツ
スラックス前腰に、ヒダではなく縫い線があるものをタックダーツと言います。
簡単に説明をすると、もともとタックがあったものを縫い合わせた縫製です。ワンタックとペアーで縫製されることが多く「ワンタックダーツ」とも呼ばれています。

タックダーツはボンタン全盛期に流行したデザインで、残念ながら現行品では販売されていません。
なお、タックを裏から縫い合わせることで、タックダーツにすることは可能でございますので、オリジナルでの設置は可能です。(タックが存在するものに限る)


[関連用語]
タック/ダーツ


台場(だいば)
学生服上着の胸内側に、学生服生地が脇まで延びている縫製を台場と言います。
胸芯を補強する働きがあり、着用時にシワなどが発生しないための役割などがございます。
そのほか台場の特徴としては、土台がしっかりするため内ポケットの数が多い傾向がございます。

台場は商品によって有るものと無いものがあり、必要性に応じてメーカーが設置しています。


[関連用語]
内ポケット


縦ポケット(たてぽけっと)  別名・類義語: 垂直ポケット
スラックスの脚縫い線に沿ってポケット口(くち)が存在するサイドポケットを縦ポケットと言います。変形スラックスのほとんどがこの縦ポケット仕様で、標準型にも縦ポケット仕様が存在します。

縦ポケットのほかに、脚の縫い線より内側の角度に向かうポケット口を「斜めポケット」と呼びます。


[関連用語]
斜めポケット/サイドポケット


ダブル(だぶる)
学生スラックスのスソ上げで、スソにひとまくり折り目のある仕上げをダブルと言います。最近の学生にはあまり見られなくなったスソ仕上げです。
ダブルでは折り目の幅を自由に選ぶことができ、一般的にダブル幅は2.0〜4.0cm程度になります。ボンタン全盛期には2.0cmに人気があり、最近では3.5cmになされる方が多くおられます。

本来ダブルは、スソ丈が短くなった時に折り目を返えせば、ダブル幅分のスソ丈が長くなる目的がございます。折り目を返した場合はシングルになります。


[関連用語]
スソ上げ


短ラン(たんらん/タンラン)  別名・類義語: SHORT
着丈の長さが65cm以下の学生服を短ラン学生服と言います。
袖丈より丈が短く、詰襟幅が低いのが特徴です。

短ランの中で着丈が60cm以下の学生服は、オールステッチのアクセサリーが付属されたり、袖ボタンが片袖1個仕様になる特徴がございます。


[関連用語]
極短/着丈/オールステッチ/袖ボタン


チェンジフラップ(ちぇんじふらっぷ)
アマブタ(フラップ)が外側と内側で使える構造をチェンジフラップと言います。

一般的にアマブタは外に出してボタンを掛けますが、チェンジフラップはポケット内にアマブタを押し込んでもアマブタにボタンが掛けられる構造になります。
(外見はアマブタ仕様と変わりございません。)

チェンジフラップの構造は、ピスボタンがポケット内に存在し、ボタンホールが「アマブタ(A)」と「ポケット生地(B)」に存在します。一般的なアマブタ仕様は、ピスボタンがポケット生地に存在し(C)、ボタンホールはアマブタ(D)のみとなります。


[関連用語]
アマブタ/ピスボタン


チェンジボタン(ちぇんじぼたん)  別名・類義語: 裏ボタン・ロックボタン
前身ボタンを学生服の裏側からロックするボタンをチェンジボタンと言います。
学生服の前列に装着するボタンは手縫いで固定するのではなく、チェンジボタンを使って前身ボタンを装着いたします。チェンジボタンはクリップ状の掛けボタンになります。

標準型のチェンジボタンは、黒色単色と決まっておりますのでご注意願います。学校によっては金属製のものでも不可となりますので、プラスチック(樹脂製品)が好ましいです。下段右の画像は、基本的に校則違反になりますのでご参考ください。

[関連用語]
前身ボタン/中生ボタン/高生ボタン
▲標準チェンジと装着例 違反ボタン▲


チケットポケット(ちけっとぽけっと)
学生服内側にある小さなポケットをチケットポケットと言います。
チケットポケットはメーカーの思考でランダムに設置されています。また、脇ポケット内部にもチケットポケットが存在したりします。

スラックスに存在する小さなポケットは、主にコインポケットと言います。
このように小さなポケットは上着とスラックスで呼び名が異なりますが、用途はお客様の自由となっています。


[関連用語]
内ポケット/脇ポケット


中生ボタン(ちゅうせいぼたん)  別名・類義語: 中学ボタン・標準ボタン・サクラボタン
全国基準の中学生用ボタンを中生ボタンと言います。
中生ボタンには直径21mmの前身ボタン、直径16mmの袖ボタンの2種類が存在します。

中学校で、専用のボタンや指定ボタンがない場合は、この中生ボタンを用いるのが一般的です。
前身ボタンは裏側からチェンジボタンでロックし、袖ボタンは手縫いで取り付けます(あきみせ)。


[関連用語]
高生ボタン/前身ボタン/袖ボタン/チェンジボタン


長ラン(ちょうらん)  別名・類義語: 中ラン(ちゅうらん)、洋ラン(ようらん)
着丈の長さが72〜79cmあたりまでを「チュウラン」「セミチュウ」、
着丈80cm以上を「長ラン」「洋ラン」と言います。

長ランの特徴はロングコートのような着丈で、ヒザ上からヒザ下の着丈で幅広く存在します。着丈が長いほど詰襟が高くなり最大で6cm、袖ボタン数も着丈に比例して数が多くなります。オールステッチやセンターベンツのアクセサリーも長ランの特徴です。

また、長ランは上着面積が広いため細いスラックスと合わせるとロングコートのように見えてしまいます。長ランを着用なされる場合はワタリもスソ幅も広い「ドカン」シルエットのスラックスが最もマッチいたします。


[関連用語]
着丈/袖ボタン/オールステッチ/センターベンツ/ドカン


詰襟(つめえり)
学生服の象徴と言える、首回を覆う襟元を詰襟と言います。
詰襟型には2種類存在し、ソフトカラーの帯を詰襟内側に装着する「レギュラーカラー」、ソフトカラーが不要で白線が詰襟に埋め込まれた「ラウンドトリムカラー」がございます。

詰襟内部は、パルプ素材やウレタン素材を用いた芯が入っており、常に衿が立つよう設計されております。詰襟先端には詰襟金具(前カン)がフック状に存在し、詰襟を閉じることができます。

詰襟の高さは標準型で約3,8cm。変形学生服では1,5cm〜6,0cmが存在します。


[関連用語]
レギュラーカラー/ソフトカラー/ラウンドトリムカラー/詰襟フック


詰襟フック(つめえりふっく)  別名・類義語: 前カン、詰襟金具
詰襟先端に埋め込まれたフック状の金具を詰襟フックと言います。フックはオスとメスが存在し、互いを掛けることで詰襟を閉じることができます。

詰襟フックはメーカーによって種類が異なり、
1フック(オス・メス1対)もあれば、2フック(オス・メス2対)のもあり、幅や大きさも学生服によって異なります。また、樹脂コーティングがされたもの、されないものと様々存在します。

詰襟フックが壊れたお問い合わせを多くいただきますが、
お直し専門店や他店では部品調達ができないため、購入なされた学生服店で修理なされるのことをお薦めいたします。または、壊れた金具と同じ学生服メーカーを扱うお店でも修理可能かと思われます。

なお、店舗によって修理技術がない可能性もございますので、予め店舗にご確認くださいませ。当店では、当店取扱の商品であれば作業可能でございます。


[関連用語]
詰襟



テトロン(てとろん/T)  別名・類義語: T/C
スクールシャツのカタログや説明などで、「T/C」と表現される項目を見かける場合がございます。これは素材の略語を意味し、Tとはテトロンの頭文字で「ポリエステル」を意味しています。ちなみにCとはコットンの頭文字で「綿」になります。
たとえば「T/C:65/35」とは、ポリエステル65%と綿35%の意味になります。


ドカン(どかん)
ワタリもスソ幅も太いシルエットをドカンと言います。
袴(はかま)のようなデザイン性で、太さを目的としたスラックスです。

ワタリ40cmクラスのドカンはスケーターと変わりございませんが、中にはワタリ100cmまで存在しスラックスの中で最も太いワタリをもつ究極のシルエットです。
また、ドカンは長ラン学生服に最もマッチしたスラックスです。


[関連用語]
シルエット/長ラン